Impression

ハンドリング
 

暫くの間、FFのW169に浮気していましたが、だからこそ断言できます。

やはり、メルセデスはFRセダンですね!


W126をはるかに凌ぐサスペンションとボディ硬性に、もうメロメロの私です。

 

 
 

長い間、メルセデスに乗っていると、運転に変な癖がついてしまいます。

FRのW126では、コーナリング中はパワーをかけて後輪を路面に押し付けながら、アクセル操作でフロントを流しつつ向きを調節する訳です。
リアを軸にして、フロントタイヤで向きを変えていたんですね。

FFのW169でも似た様な感じで、アクセル操作でフロントのスライド量を調節できました。
しかし、リアには加重がかかっていない宙ぶらりんの状態ですから、気まぐれな路面状況によってはリアが張り出し、一気に向きが変わってヒヤリとする事もあります。
とは言え、良く出来たリアサスで、ESPが介入してコンスタントに路面を捉えていました。
W169で、フロントを流しながらリアを使う事を覚えたんですね。


先代のW203でも、うすうすとは感じていたのですが、最近のFRセダンはESPが介入してリアタイヤを上手く使い始めたんですね。

アクセル操作で向きをコントロールする下品な楽しみ(?)は無くなってしまいましたが、ハンドル操作だけで思い通りのラインをトレースできる様になったのです。

で、より積極的にリアタイヤを使い始めたのが、このW204だと感じます。

 


W204は、もう、面白いほどに曲がります。グイグイとリアを使って旋回していくのです。
いくらアクセルを操作しても、ESPが駆動制御してしまいます。

おそらく、傍から見ると車体はかなりロールしているはずですが、運転席ではそれを感じません。
まるで、ストロークの長いサスがどんなギャップでも柔軟に吸収して、ピタリとタイヤを路面に接地させている感覚でしょうか。

ボディー硬性もW126以上で、二重フロアのW169の如くよじれを感じません。
かつてのメルセデスで賞賛された、一枚岩のボディが帰ってきました。

高硬性のボディと柔軟なサスの恩恵か、多少下品なスピードでコーナーに突っ込んでしまったとしても、あとはESP君が何とかしてくれます。

長い間のメルセデス・ライフで身についた運転スタイルも、メルセデスの新しい価値観に迎合して、そろそろ変更せざるをえない時期なのでしょう。
 


 
 
 
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